チーム発足当時はバスケット用車椅子は生活用車椅子の後輪の内側にプラスティック製側板をつけてやってました。
前輪も後輪も太くてごつごつ。病院にある車椅子に少し毛がはえたみたいのだった。フットレストの部分に工業用ベルトコンベアのベルトをつけて高さを調節したり、折り畳みが出来た為車体に剛性感が無いので補強バーを入れたり。折りたたみ部分のクロスバーが折れたりして大変だった。
脊椎損傷者の方からNISSIN社バスケット用車椅子を見せて貰った。
- 固定車、折りたたみが不可能。
- タイヤが傾いてついている(キャンバー角)。
- タイヤの取り外しが出来る。
- ソロバンの駒みたいな前輪。
- ステンレス製からアルミ製に。
背もたれが低いので用心して乗らせて貰う。タイヤにキャンバー角が付いているのと、後輪の取り付け一が通常よりも2本出し(当時はこう呼んでた)だったので、生活用とは明らかに違う動きの軽さにカルチャーショックを受けた記憶がある。
後輪が今までの半分の太さになり空気の入れ方が変化した。
大体7〜9Kg/mm。抵抗が一気に減った感じがした。今は赤いタイヤが主流になっている。
ついでにハンドリムに注目。持ち点の多い選手は何もつけないでもOKなのだが、障害の程度の重い持ち点の少ない選手はいろいろ工夫をしている。今は生ゴムが主流。
NISSIN社から車体をS,M,Lサイズでの指定で購入し背シート、座シート、後輪車軸位置の変更により調整するつるしのバスケット車が登場。あわせて前輪が1輪の三輪車が出て話題になる。
でもね、前に倒れ込んだ時、前輪が2輪ならなんて事無いのだけど、1輪だと斜め前方に車椅子が倒れちゃう、実は失敗作じゃないの>NISSINさん(笑)
NIKKO社から車体の前方を絞った前絞りが流行。
注意:写真は後輪無しの状態です。当初は転倒防止バーもついていませんでした。
おかげで膝を押さえる為のパッドが要らなくなった。キャスター(前輪)までも中まで入れたのは失敗。NISSINさんの三輪車と同じく前方に倒れるのよ(笑)
アルミ製よりも軽くて丈夫って事でチタン製も TIG社から販売されました。
曲げの技術が難しいらしく、手直しが不可能に近い事、金額がアルミ製+10万円以上!!する為思い止まった人が多い。
ラグビーの世界からの技術で羽、ウィングと呼ばれるバンパーガードが流行。
これにより相手選手が近くに近寄れないのでボールキープが楽になった。ただね、車へ積み込むのにはとっても不便(笑)
今まではフルオーダーだったのが、Quickie社からAll Courtなる完全モジュール車(組立式)のバスケット車登場。パーツの組み合わせによって調整が可能。金額が高い事や側板が付かない事が不満。
並行するように国内メーカのOX社からBWなる完全モジュール車(組立式)が登場。かなりの場所が調整式のため車体は重いが1cmの世界で泣く車椅子つくり、自分で調整できる魅力は大きい。
車椅子バスケット発足後から禁じ手とされてきた転倒防止バーを積極的に使ってプレイする事が1997年許可された。ここから車椅子の設定、作り方がガラリと変わった。
現在人気のある OX社BWR。完全モジュール車ではなくフルオーダ車。調整できるのは背もたれ部分とお尻のシートの張りだけ。足置きは作成する時に言っておけば調整できるようになる。キャンバーはコマによって調整可能。
前輪と後輪の距離が近くなり(ショートホイールベース化)、後輪軸が今までの倍以上前に出せる様に。軽くなったOX社の後輪軸と相まって直進、方向転換(ターン)が当チーム比(笑)で3倍以上速くなった。
反面、危ない転倒が増えた。速くなった事で高速ターン最中に体が外側に振られ斜め後方向に転倒したり、直進最中に他選手に後輪を引っ掛けられる事でクルクルと駒の様に回転し後ろ斜め後方に転倒する。いずれも転倒防止バーの限界を超えて転倒する為、受身がとれず気が付いた時には床に転がっているパターンが多い(体験談)。
体のバランスが悪い選手は以下の組合せは転倒します。転倒が怖くてプレイに影響がでます(実体験)。
OX社BWX
NG
Next
後輪軸(前だし) 10cm 8cm ホイールベース 37cm 39cm 座シート高 40cm 40cm 前後差 7cm 9cm キャンバー角 15 16 足位置(バンパーからの距離) 8cm 4cm 横幅 33cm 31cm 膝間 24cm 25cm 足置き代 24cm 24cm
結論。
- 車椅子の寸法取りは信頼が置けるバスケット選手、バスケット経験者に頼むべし。
- 自分と同じ障害レベルの人の車椅子に数多く乗ってみるべし。
- 全ての寸法は自分の体のバランスを考えるべし。自分の体が安定しない、安定させられないほどターンが速くてもプレイには全然生かせ無い。
1999〜2001年にかけ数台失敗作を作り自信を喪失してる YOSIZOUさんからの一言でした。